реклама
Бургер менюБургер меню

Дзюн-Итиро Танидзаки – Ключ / 鍵. Книга для чтения на японском языке (страница 2)

18

私は夫を半分は激しく嫌い、半分は激しく愛している。私は夫とほんとうは性が合わないのだけれども、だからといって他の人を愛する気にはなれない。私には古い貞操観念がこびり着いているので、それに背そむくことは生れつきできない。私は夫のあの執拗《しつよう》な、あの変態的な愛撫《あいぶ》の仕方にはホトホト当惑するけれども、そういっても彼が熱狂的に私を愛していてくれることは明らかなので、それに対して何とか私も報いるところがなければ済まないと思う。あゝ、それにつけても、彼にもう少し昔のような体力があってくれたらば、………一体どうして彼はあんなにあの方面の精力が減退したのであろうか。………彼に云わせると、それは私があまり淫蕩《いんとう》に過ぎるので、自分もそれにつり込まれて節度を失った結果である、女はその点不死身だけれども、男は頭を使うので、ああいうことがじきに体にこたえるのだという。そう云われると恥かしいが、しかし私の淫蕩は体質的のものなので、自分でもいかんともすることができないことは、夫も察してくれるであろう。夫が真に私を愛しているのならば、やはり何とかして私を喜ばしてくれなければいけない。ただくれぐれも知っておいて貰《もら》いたいのは、あの不必要な悪ふざけだけは我慢がならないということ、私にとってあんな遊びは何の足しにもならないばかりか、かえって気分を損そこなうばかりだということ、私は本来は、どこまでも昔風に、暗い奥深い閨《ねや》の中に垂《たれ》籠《かご》こめて、分厚い褥《しとね》に身を埋うずめて、夫の顔も自分の顔も分らないようにして、ひっそりと事を行いたいのだということ、である。夫婦の趣味がこの点でひどく食い違っているのはこの上もない不幸であるが、お互いに何か妥協点《だきょうてん》を見出す工夫はないものだろうか。………

一月十三日。………四時半頃ニ木村ガ来タ。国カラ子からすみガ届キマシタカラ持ッテ来マシタト云ッテ、ソノアト一時間ホド三人デ話シテ帰リカケル様子ダッタノデ、僕ハ下ヘ降リテ行ッテ、飯ヲ食ッテ行ケト引キ留メタ。木村ハ別ニ辞退セズ、デハ御馳走《ごちそう》ニナリマスト云ッテ坐《すわ》リ込ンダ。食事ノ支度ガデキル間、僕ハマタ二階ニ上ッテイクガ、敏子ガ一人デ台所ノ用事ヲ引キ受ケテ、妻ハ茶ノ間ニ残ッテイタ。御馳走ト云ッテモ有リアワセノモノシカナカッタガ、酒ノ肴《さかな》ニハ到来ノ子ト、昨日妻ガ錦《にしき》ノ市場デ買ッテ来タ鮒鮨《ふなずし》ガアッタノデ、スグブランデーニナッタ。妻ハ甘イモノガ嫌イデ、酒飲ミノ好クモノガ好キ、ナカンズク鮒鮨ガ好キダ。―――僕ハ両刀使イダケレドモ、鮒鮨ハアマリ好キデナイ。家ジュウデ妻以外ニアレヲ食ウ者ハイナイ。長崎人ノ木村モ子ハ好キダガ、鮒鮨《ふな》ハ御免《ごめん》ダト云ッテイタ。―――木村ハ土産物《みやげもの》ナンカ提《さ》ゲテ来タハナイノダガ、今日ハ始メカラ晩ノ食事ヲトモニスル底意ガアッタノデアロウ。僕ハ彼ノ心理状態ガ今ノトコロヨク分ラナイ。郁子ト敏子ト、彼自身ハドッチニ惹《ひ》カレテイルノデアロウカ。モシ僕ガ木村デアッタトシテ、ドッチニヨケイ惹《ひ》キ付ケラレルカトイエバ、ソレハ、年ハ取ッテイルケレドモ母ノ方デアルハ確カダ。ダガ木村ハドウトモ云エナイ。彼ノ最後ノ目的ハカエッテ敏子ニアルノカモ知レナイ。敏子ガソレホド彼トノ結婚ニ乗リ気デナイラシイノデ、サシアタリ母ノ歓心ヲ買イ、母ヲ通ジテ敏子ヲ動カソウトシテイル?―――イヤソンナヨリモ、僕自身ハドンナツモリナノダロウ。ドンナツモリデ今夜モ木村ヲ引キ留メタノダロウ。コノ心理ハ我ナガラ奇妙ダ。先日、七日ノ晩ニ僕ハスデニ木村ニ対シ淡イ嫉妬(淡クモナカッタカモ知レナイ)ヲ感ジツツアッタノニ、―――イヤソウデハナイ、ソレハ去年ノ暮アタリカラダッタ、―――ソノ半面、僕ハソノ嫉妬ヲ密《ひそ》カニ享楽シツツアッタ、ト云エナイダロウカ。元来僕ハ嫉妬ヲ感ジルトアノ方ノ衝動ガ起ルノデアル。ダカラ嫉妬ハ或ル意味ニオイテ必要デモアリ快感デモアル。アノ晩僕ハ、木村ニ対スル嫉妬ヲ利用シテ妻ヲ喜バスニ成功シタ。僕ハ今後我々夫婦ノ性生活ヲ満足ニ続ケテ行クタメニハ、木村トイウ刺戟剤ノ存在ガ缺クベカラザルモノデアルヲ知ルニ至ッタ。シカシ妻ニ注意シタイノハ、云ウマデモナイダケレドモ、刺戟剤トシテ利用スル範囲ヲ逸脱シナイダ。妻ハ随分キワドイ所マデ行ッテヨイ。キワドケレバキワドイホドヨイ。僕ハ僕ヲ、気ガ狂ウホド嫉妬サセテホシイ。事ニヨッタラ範囲ヲ蹈ふミ越エタノデハアルマイカ、ト、多少疑イヲ抱いだカセルクライデアッテモヨイ。ソノクライマデ行クヲ望ム。僕ガコノクライニ云ッテモ、トテモ彼女ハ大胆ナハデキソウモナイケレドモ、ソウイウ風ニシテ努メテ僕ヲ刺戟シテクレルハ、彼女自身ノ幸福ノタメデモアルト思ッテ貰イタイ。

一月十七日。………木村ハアレキリマダ来ナイガ、僕ト妻トハアレカラ毎晩ブランデーヲ用イツツアル。妻ハススメレバ随分行ケル。僕ハ妻ガ一生懸命酔イヲ隠シテ冷タイ青ザメタ顔ヲシテイルノヲ見ルノガ好キダ。妻ノソウシテイル様子ニ何トモイエナイ色気ヲ感ジル。僕ハ彼女ヲ酔イツブシテ寝カシテシマオウトイウ底意モアッタガ、ドウシテ彼女ハソノ手ニハ乗ラナイ。酔ウトマスマス意地ガ悪クナリ、足ニ触ラセマイトスル。ソシテ自分ノ欲スル要求スル。………

一月二十日。………今日は一日頭痛がしている。二日酔いというほどではないが、昨日は少し過したらしい。………だんだん私のブランデーの量が殖ふえて行くのを木村さんは心配している。近頃は二杯以上はお酌をしない。「もう好い加減になすったら」と、止める方に廻ろうとする。夫は反対に、前より一層飲ませたがる。差されれば拒《こば》まない癖を知っているので、いくらでも飲ますつもりらしい。でももうこの辺が極量である。夫や木村さんの見ている前で取り乱したことは一度もないが、酒を殺して飲むために後が苦しい。私は用心した方がよい。………

一月二十八日。………今夜突然妻ガ人事不省ニナッタ。木村ガ来テ、四人デ食卓ヲ囲ンデイル最中ニ彼女ガドコカヘ立ッテ行ッテ、シバラク戻ッテ来ナイノデ、「ドウナスッタノデショウ」ト木村ガ云イ出シタ。妻ハブランデーガ過ギルト時々中座シテ便所ニ隠レテイル、「ナニ、今ニ戻ッテ来ルヨ」ト僕ハ云ッテイタガ、アマリ長イノデ木村ハ気ヲ揉もンデ呼ビニ行ッタ。ソシテ間モナク、「オ嬢《じょう》サン、チョット変ダカライラシッテ下サイ」ト、廊下カラ敏子ヲ呼ンダ。―――敏子ハ今夜モホドヨイ所デ自分ダケサッサト食事ヲ済マシテ部屋ニ引キ取ッテイタ。―――「オカシイデスヨ、奥サンガドコニモイラッシャラナイラシイデス」ト云ウノデ、敏子ガ捜スト、妻ハ風呂ニ漬つカッタママ浴槽ノ縁ニ両手ヲ掛ケ、ソノ上ニ顔ヲ打うツ俯《ぶセ》ニシテ睡《ねむ》ッテイタ。「ママ、コンナ所デ寝ナイデヨ」ト云ッテモ返事ヲシナイ。「先生、大変デス」ト木村ガ飛ンデ来テ知ラセタ。僕ハ流シ場ニ下リテ脈ヲ取ッテ見タ。脈搏《みゃくはく》ガ微弱デ、一分間ニ九十以上百近クモ打ッテイル。僕ハ裸体ニナッテ浴槽ニハイリ、妻ヲ抱かかエテ浴室ノ板ノ間ニ臥《ね》カシタ。敏子ハ大キナバスタオルデ母ノ体ヲ包ンデヤッテカラ、「トニカク床《とこ》ヲ取リマショウ」ト云ッテ寝室ヘ行ッタ。木村ハドウシテヨイカ分ラズ、浴室ヲ出タリハイッタリウロウロシテイタガ、「君モ手ヲ貸シテクレタマエ」ト云ウト安心シテノコノコハイッテ来タ。「早ク拭《ふ》イテヤラナイト風邪ヲ引ク、済マナイガ手伝ッテクレタマエ」ト云ッテ、二人デ乾《かわ》イタタオルヲ持ッテ濡《ぬ》レタ体ヲ拭キ取ッテヤッタ。(コンナ咄嗟《とっさ》ノ間合ニモ僕ハ木村ヲ「利用」スルヲ忘レナカッタ。僕ハ彼ニ上半身ヲ与エ、自分ハ下半身ヲ受ケ持ッタ。僕ハ足ノ指ノ股《また》マデモキレイニ拭イチテヤリ、「君、ソノ手ノ指ノ股ヲ拭イテヤッテクレタマエ」ト木村ニモ命ジタ。ソシテソノ間ニモ木村ノ動作ヤ表情ヲ油断ナク観察シタ)敏子ガ寝間着ヲ持ッテ来タガ、木村ガ手伝ッテイルノヲ見ルト、「湯タンポヲ入レルワ」ト云ッテスグマタ出テ行ッタ。僕ト木村ハ二人デ郁子ニ寝間着ヲ着セテ寝室ヘ運ンダ。「脳貧血カモ知レマセンカラ、湯タンポハオ止メニナッタ方ガヨクハナイデスカ」ト木村ガ云ッタ。医者ヲ呼ボウカドウシヨウカトシバラク三人デ相談シタ。僕ハ児玉《こだま》氏ナラ差支エナイト思ッタケレドモ、ソレデモ妻ノコウイウ醜態ヲ見セルノハ好マシクナカッタ。ガ、心臓ガ弱ッテイルヨウナノデ、結局来テ貰《もら》ッタ。ヤハリ脳貧血ダソウデ、「御心配ハアリマセン」ト云ッテ、ヴィタカンフルノ注射ヲシテ児玉氏ガ帰ッテ行ッタノハ、夜中ノ二時デアッタ。………

一月二十九日。昨夜飲み過ぎて苦しくなり便所に行ったことまでは記憶にある。それから風呂場へ行って倒れたことも微《か》すかに思い出すことができる。それ以後のことはよく分らない。今朝明け方に眼が覚めてみたら誰かが運んでくれたのだと見えてベッドに寝ていた。今日は終日頭が重くて起き上る気力がない。覚めたかと思うとまたすぐ夢を見て一日じゅうウトウトしている。夕方少し心持が回復したので、辛《しん》かろうじて日記にこれだけ書きとめる。これからまたすぐ寝るつもり。

一月二十九日。………妻ハ昨夜ノ事件以来マダ一遍モ起キタ様子ガナイ。昨夜僕ト木村トデ彼女ヲ風呂場カラ寝室ヘ運ンダノガ十二時頃、児玉氏ヲ呼ンダノガ〇時半頃、氏ガ帰ッタノガ今暁ノ二時頃。氏ヲ送ッテ出ル外ヲ見タラ美シイ星空デアッタガ寒気ハ凜烈《りんれつ》デアッタ。寝室ノストーブハイツモ寝ル前一トツカミノ石炭ヲ投ゲ込ンデオケバソレデ大体ヌクマルノダガ、「今日ハ暖カニシテ上ゲタ方ガヨウゴザンスネ」ト木村ガ云ウノデ、彼ニ命ジテ多量ニ石炭ヲ投ゲ込マセタ。木村ハ「デハドウゾオ大事ニ。僕ハ帰ラシテ貰イマス」ト云ッタガ、コンナ時刻ニ帰ラセルワケニ行カナイ。「寝具ハアルカラ茶ノ間デ泊ッテ行キタマエ」ト云ッタガ、「ナニ近インダカラ何デモアリマセン」ト云ウ。彼ハ郁子ヲ担《かつ》ギ込ンデカラソノママ寝室デウロウロシテイタノダガ、(腰掛ケルニモ餘分《よぶん》ノ椅子ガナイノデ、僕ノ寝台ト妻ノ寝台ノ間ニ立ッテイタ)ソウイエバ敏子ハ、木村ガハイッテ来ルト入レ違イニ出テ行ッテ、ソレキリ姿ヲ見セナカッタ。木村ハドウシテモ帰ルト云イ、「イエ何デモアリマセン」ト云ッテトウトウ帰ッテ行ッタ。シカシ正直ノヲ云エバ、実ハソウシテ貰ウ方ガ僕ノ望ムトコロダッタノダ。僕ハ先刻カラ或ル計画ガ心ニ浮カビツツアッタノデ、内心ハ木村ガ帰ッテクレルヲ願ッテイタノダッタ。僕ハ彼ガ立チ去ッテシマイ、敏子モモハヤ現ワレル恐レガナイノヲ確カメルト、妻ノベッドニ近ヅイテ、彼女ノ脈ヲ取ッテミタ。ヴィタカンフルガ利《き》イタトミエテ、脈ハ正常ニ搏うチツツアッタ。見タトコロ、彼女ハ深イ深イ睡リニ落チテイルヨウニ見エタ。―――彼女ノ性質カラ推おシテ、果シテホントウニ睡ッテイタノカ寝タフリヲシテイタノカ、ソノ点ハ疑ワシイ。ダガ寝タフリヲシテイルノナラソレデモ差支エナイト思ッタ。―――僕ハマズストーブノ火ヲ一層強ク、カスカニゴウゴウ鳴ルクライニ燃ヤシタ。ソレカラ徐々ニフローアスタンドノシェードノ上ニ被《かぶ》セテアッタ黒イ布ノ覆《おお》イヲ除イテ室内ヲ明ルクシタ。フローアスタンドヲ静カニ妻ノ寝台ノ側近クニ寄セテ、彼女ノ全身ガ明ルイ光ノ輪ノ中ニハイルヨウナ位置ニ据エタ。僕ノ心臓ハニワカニ激シク脈搏チツツアルノヲ感ジタ。僕ハカネテカラ夢ミテイタガ今夜コソ実行デキルト思イ、ソノ期待デ興奮シタ。僕ハ足音ヲ忍バセテイッタン寝室ヲ出、二階ノ書斎ノデスクカラ螢光燈《けいこうとう》ランプヲ外はずシテ、ソレヲ持ッテ戻ッテ来、ナイトテーブルノ上ニ置イタ。コノハ僕ガトウカラ考エテイタデアッタ。去年ノ秋、書斎ノスタンドヲ螢光燈ニ改メタノモ、実ハイツカハコウイウ機会ガ来ルデアロウヲ豫想《よそう》シタカラナノデアッタ。螢光燈ニスルトラジオニ雑音ガ交ルト云ッテ妻ヤ敏子ハ当時反対ダッタノニ、僕ハ視力ガ衰エテ読書ニ不便デアルヲ理由ニ螢光燈ニ変エタノダッタガ、―――事実読書ノタメトイウモアッタニハ違イナイノダガ、―――ソンナヨリモ僕ハ、イツカハ螢光燈ノ明リノ下ニ妻ノ全裸体ヲ曝《さら》シテ見タイトイウ慾望ニ燃エテイタノダッタ。コノハ螢光燈トイウモノノ存在ヲ知ッタカラノ妄想《もうそう》ダッタノダ。………

………スベテハ豫期ノゴトクニ行ッタ。僕ハモウ一度彼女ノ衣類ヲ全部、何カテ何マデ彼女ガ身ニ纏《まと》ッテイルモノヲ悉《ことごと》ク剥《は》ギ取リ、素ッ裸ニシテ仰向カセ、螢光燈トフローアスタンドノ白日ノ下ニ横タエタ。ソシテ地図ヲ調ベルヨウニ詳細ニ彼女ヲ調べ始メタ。僕ハマズソノ一点ノ汚レモナイ素晴ラシイ裸身ヲ眼ノ前ニシタニシバラクハ全ク度ヲ失ッテ呆然《ぼうぜん》トサセラレテイタ。ナゼトイッテ、僕ハ自分ノ妻ノ裸体ヲカヨウナ全身像ノ形ニオイテ見タノハ始メテダッタカラダ。多クノ「夫」ハ彼ノ妻ノ肉体ノ形状ニツイテ、恐ラクハ巨細ニ亙《わた》ッテ、足ノ裏ノ皺《しわ》ノ数マデモ知リ悉《つく》シテイルデアロウ。トコロガ僕ノ妻ハ今マデ僕ニ決シテ見セテクレナカッタ。情事ノニ自然部分的ニトコロドコロヲ見タハアルケレドモ、ソレモ上半身ノ一部ニ限ラレテイタノデアッテ、情事ニ必要ノナイトコロハ絶対ニ見セテクレナカッタ。僕ハタダ手デ触ッテミテソノ形状ヲ想像シ、相当素晴ラシイ肉体ノ持主デアロウト考エテイタノデアッテ、ソレユエニコソ白光ノ下ニ曝シテ見タイトイウ念願ヲ抱《いだ》イタワケデアッタガ、サテソノ結果ハ僕ノ期待ヲ裏切ラナカッタノミナラズ、ムシロハルカニソレ以上デアッタ。僕ハ結婚後始メテ、自分ノ妻ノ全裸体ヲ、ソノ全身像ノ姿ニオイテ見タノデアル。ナカンズクソノ下半身ヲホントウニ残ル隈《くま》ナク見ルヲ得タノデアル。彼女ハ明治四十四年生レデアルカラ、今日ノ青年女子ノヨウナ西洋人臭イ体格デハナイ。若イ頃ニハ水泳トテニスノ選手デアッタトイウダケニ、アノ頃ノ日本婦人トシテハ均整ノ取レタ骨格ヲ持ッテイルケレドモ、タトエバソノ胸部ハ薄ク、乳ト臀部《でんぶ》ノ発達ハ不十分デ、脚《あし》モシナヤカニ長イニハ長イケレ、下腿部《かたいぶ》ガヤヤO型ニ外側ヘ彎曲《わんきょく》シテオリ、遺憾ナガラマッスグトハ云イニクイ。コトニ足首ノトコロガ十分ニ細ク括レテイナイノガ缺点ダケレ、僕ハアマリニ西洋人臭イスラリトシタ脚ヨリモ、イクラカ昔ノ日本婦人式ノ脚、私ノ母ダトカ伯母おばダトカイウ人ノ歪《ゆが》ンダ脚ヲ思イ出サセル脚ノ方ガ懐《なつか》シクテ好キダ。ノッペラボウニ棒ノヨウニマッスグナノハ曲ガナサ過ギル。胸部ヤ臀部モアマリ発達シ過ギタノヨリハ中宮寺ノ本尊ノヨウニホンノ微《かす》カナ盛リ上リヲ見セテイル程度ノガ好キダ。妻ノ体ノ形状ハ、恐ラクコンナ風デアロウトオオヨソ想像ハシテイタノダガ、果シテ想像ノ通リデアッタ。シカモ僕ノ想像ヲ絶シテイタノハ、全身ノ皮膚ノ純潔サダッタ。大概ナ人間ニハ体ノドコカシラニチョットシタ些細ささいナ斑点《はんてん》、――薄紫ヤ黝黒等ノシミグライハアルモノダガ、妻ハ体ジュウヲ丹念ニ捜シテモドコニモソンナモノハナカッタ。僕ハ彼女ヲ俯向キニサセ、臀《しり》ノ孔マデ覗イテ見タガ、臀肉ガ左右ニ盛リ上ッテイル中間ノ凹《くぼ》ミノトコロノ白サトイッタラナカッタ。………四十五歳トイウ年齢ニ達スルマデ、ソノ間ニハ女児ヲ一人分娩《ぶんべん》シナガラヨクモソノ皮膚ニ少シノ疵《きず》モシミモ附ケズニ来タモノヨ。僕ハ結婚後何十年間モ、暗黒ノ中デ手ヲモッテ触レルヲ許サレテイタダケデ、コノ素晴ラシイ肉体ヲ眼デ視ルナク今日ニ至ッタガ、考エテミレバソレガカエッテ幸福デアッタ。二十数年間ノ同棲《どうせい》ノ後ニ、始メテ妻ノ肉体美ヲ知ッテ驚クヲ得ル夫ハ、今カラ新シイ結婚ヲ始メルノト同ジダ。スデニ倦怠期《けんたいき》ヲ通リ過ギテイル時期ニナッテ、私ハ昔ニ倍加スル情熱ヲモッテ妻ヲ溺愛《できあい》スルガデキル。………

僕ハ俯向キニ寝テイル妻ノ体ヲモウ一度仰向キニ打チ反シタ。ソウシテシバラク眼ヲモッテソノ姿態ヲ貪《むさぼ》リ食イ、タダ歎息シテイルバカリデアッタ。フト僕ハ、妻ハホントウニ寝テイルノデハナイ、タシカニ寝タフリヲシテイルノニ違イナイト思ワレテ来タ。彼女ハ最初ハホントウニ寝テイタラシイガ、途中カラ眼ガ覚メタノダ。覚メタケレドモ事ノ意外ニ驚キ呆《あき》レ、アマリニ羞《はずカ》シイ恰好《かっこう》ヲシテイルノデ、寝タフリヲシテ通ソウトシテイルノダ。僕ハソウ思ッタ。ソレハアルイハ事実デハナク、僕ノ単ナル妄想デアルカモ知レナイガ、デモソノ妄想ヲ僕ハ無理ニモ信ジタカッタ。コノ白イ美シイ皮膚ニ包マレタ一個ノ女体ガ、マルデ死骸ノヨウニ僕ノ動カスママニ動キナガラ、実ハ生キテ何モカモ意識シテイルノダト思ウハ、僕ニタマラナイ愉悦《ゆえつ》ヲ与エタ。ダガモシ彼女ガホントウニ睡ッテイタノダトスレバ、僕ハコンナ悪戯ニ耽《ふけ》ッタヲ日記ニ書カナイ方ガヨイノデハアルマイカ。妻ガコノ日記帳ヲ盗ミ読ミシテイルハホトンド疑イナイトシテ、コンナヲ書イタラ今後酔ウヲ止メハシナイカ。………イヤ、恐ラク止メハシナイデアロウ、止メタラ彼女ガコレヲ盗ミ読ミシテイルヲ証拠立テルヨウナモノデアルカラ。彼女ハコレヲ読ミサエシナケレバ、意識ヲ失ッテイル最中ニ何ヲサレタカ知ラナイハズナノデアルカラ。………

僕ハ午前三時頃カラ約一時間以上モ妻ノ裸形ヲ見守リツツ尽キルノナイ感興ニ浸ッテイタ。モチロンソノ間タダ黙ッテ眺メテイタバカリデハナイ。僕ハ、モシ彼女ガ空寝入リヲシテイルノダトスレバ、ドコマデソレヲ押シ通セルカ試《ため》シテヤレトイウ気モアッタ。最後マデ空寝入リヲセザルヲ得ナイ羽目ニ陥レテ困ラセテヤレトイウ気モアッタ。僕ハイツモ彼女ガ厭《いや》ガッテイルトコロノ悪戯ノ数々、―――彼女ニ云ワセレバ執拗イ、恥カシイ、イヤラシイ、オーソドックスデナイトコロノ痴戯ちぎノ数々ヲ、コノ機会デアルト思ッテ代ル代ル試ミテヤッタ。僕ハ何トカシテアノ素晴ラシイ美シイ足ヲ、思ウ存分ワガ舌ヲモッテ愛撫シ尽シタイトイウ長イ間心ニ秘メテイタ念願ヲ、始メテ果タスガデキタ。ソノ他アラユル様々ナヲ、彼女ノ常套語《じょうとうご》ヲ真似《まね》レバ、ココニ書キ記スノモマコトニ恥シイヨウナイロイロナヲシテミタ。一度僕ハ、彼女ガイカナル反応ヲ示スカト思ッテアノ性慾点ヲ接吻シテヤッタガ、誤ッテ眼鏡ヲ彼女ノ腹ノ上ニ落シタ。彼女ハソノ時ハ明ラカニハットシテ眼ヲ覚マシタラシク瞬《しばたた》イタ。僕モ思ワズハットシテ慌《あわ》テテ螢光燈ヲ消シ、一時室内ヲ暗クシタ。ソシテルミナール一錠トカドロノックス半錠トヲ、ストーブノ上ニカカッテイタ湯沸シノ湯ニ水ヲ割リ微温湯ヲ作ッテ飲マシタ。僕ガ口移シニスルト、彼女ハ半バ夢見ツツアルカノゴトキ様子デ飲ンダ。(ソノクライノ分量ヲ服シテモ利カナイハ利キハシナイ。僕ハ必ズシモ睡ラセルノガ目的デ飲マシタノデハナイ。彼女ガ睡ル真似ヲスルノニ都合ガヨカロウト思ッテ飲マシテヤッタノデアル)

彼女ガ睡リ込ンダ(モシクハ睡リ込ンダ風ヲシタ)ノヲ見定メテカラ、僕ハ最後ノ目的ヲ果タス行動ヲ開始シタ。今夜ハ僕ハ、妻ニ妨ゲラレルナク、スデニ十分ニ豫備運動ヲ行イ、情慾ヲ掻キ立テタ後デアッタシ、異常ナ興奮ニフルイ立ッテイタ際デアッタカラ、自分デモ驚クホドノヲ行ウガデキタ。今夜ノ僕ハイツモノ意気地ノナイ、イジケタ僕デハナクテ、相当強力ニ、彼女ノ淫乱ヲ征服デキル僕デアッタ。僕ハ今後モ頻繁ニ彼女ヲ悪酔イサセルニ限ルト思ッタ。トコロデ彼女ハ、彼女ノ方モ数回ニ亙リ事ヲ行ッタニモカカワラズナオ完全ニハ睡リカラ覚メテイナイヨウニ見エタ。ナオ半醒半睡《はんせいはんすい》ノ状態ニアルカノゴトクデアッタ。時々彼女ハ眼ヲ半眼ニ見開イタガ、ソレハアラヌ方角ヲ見テイタ。手モユックリト動カシテイタガ夢遊病者ノヨウナ動カシ方デアッタ。ソシテ今マデニナイニハ、僕ノ胸、腕、頬《ほお》、頸《くび》、脚ナドヲ手デ探ルヨウナ動作ヲシタ。彼女ハコレマデ決シテ必要以外ノ部分ヲ見タリ触レタリシタガナカッタノダ。彼女ノ口カラ「木村サン」トイウ一語ガ譫語《うわごと》ノヨウニ洩《も》レタノハコノ時ダッタ。カスカニ、実ニカスカニ、タッタ一度ダケデアッタガ、確カニ彼女ハソウ云ッタ。コレハホントウノ譫語ダッタノカ、譫語ノゴトク見セカケテ故意ニ僕ニ聞カセタノデアルカ、コノハ今モナオ疑問ダ。ソシテイロイロナ意味ニ取レル。彼女ハ寝惚ケテ、木村ト情交ヲ行ッテイルト夢見タノデアルカ、ソレトモソウ見セカケテ、「アヽ木村サントコンナ風ニナッタラナア」ト思ッテイル気持ヲ、僕ニ分ラセヨウトシテイルノデアロウカ、ソレトモマタ、「私ヲ酔ワセテ今夜ノヨウナ悪戯ヲスレバ、私ハイツモ木村サント一緒ニ寝ル夢ヲ見マスヨ、ダカラコンナ悪戯ハオ止メナサイ」トイウ意味デアロウカ。………

………夜八時過木村カラ電話。「ソノ後奥サンハイカガデスカ、オ見舞イニ伺ウハズナノデスガ」ト云ウノデ、「アレカラマタ睡眠剤ヲ飲マシタノデマダ寝テイル、別ニ苦シンデハイナイラシイカラ心配ニ及バヌ」ト答エル。………

一月三十日。あれからまだずっとベッドにいる。時刻は今午前九時半。月曜で夫は三十分ほど前に出かけたらしい。出かける前そっと寝室にはいって来、私が空寝入りしていると、しばらく寝息を窺《うかが》ってもう一度足に接吻して出て行った。婆やが「御気分はいかがですか」と云ってはいって来たので、熱いタオルを持って来させ、室内の洗面台で簡単に顔を洗い、牛乳と半熟卵を一個持って来させた。「敏子は」と云うと「お部屋にいらっしゃいます」ということだったが姿を見せない。私はもう気分も良くなり、起きて起きられなくはないのだが、寝たまま日記をつけることにして一昨夜以来の出来事を静かに思い返している。いったい一昨日の夜はどうしてあんなに酔ったのかしら。体の工合《ぐあい》もいくらかあったに違いないが、一つにはブランデーがいつものスリースタースではなかった。夫はあの日新しいのを一本買って来たのだが、ブランデー・オブ・ナポレオンと書いてある、クルボアジエという名のブランデーであった。私には大層口あたりが好かったので、つい度を過した。私は人に酔ったところを見られるのが嫌いやなので、飲み過ぎて気分が悪くなると便所へ閉とじ籠こもる癖があるのだが、あの晩もそうであった。私は何十分間ぐらい便所に籠っていたのだろうか。何十分? いや一時間も二時間もではなかったろうか。私はちっとも苦しくはなかった。苦しいよりは恍惚《こうこつ》とした気持だった。意識はぼんやりしていたけれども全然覚えがないわけではなく、ところどころ分っている部分もある。あまり長時間便器に跨《こ》またがって蹲踞うずくまっていたので、腰や脚が疲れて、いつの間にか金隠しの前に両手をついてしまい、とうとう頭までべったり板の間についてしまっていたことも、うろ覚えに思い出される。そして私は体じゅうが便所臭くなった気がして外へ出たのであったが、その臭気を洗い落すつもりだったのか、まだ足もとがふらついているので人に遇《ぐう》あうのが嫌だったのか、そのまま風呂場へ行って着物を脱いだのであったらしい。らしいというのは、何か遠い遠い夢の中の出来事のように記憶に残っているのだが、それから先はどうなったのか思い出せない。(右の上膊部《じょうはくぶ》に絆創膏《ばんそうこう》が貼《は》ってあるのは誰かに注射されたのらしいが児玉先生でも呼んだのだろうか)気がついた時はすでにベッドの中にいて、早い朝の日光が寝室を薄明るくしていた。それが昨日の払暁の午前六時頃のことだったらしいのだが、それ以後ずっと意識がハッキリしつづけていたわけではない。私は頭が割れるように痛み、全身がズシンと深く沈下して行くのを感じつつ幾度も眼が覚めたり睡ったりすることを繰り返していた、―――いや、完全に覚め切ることも睡り切ることもなく、その中間の状態を昨日一日繰り返していた。頭はガンガン痛かったけれども、その痛さを忘れさせる奇怪な世界を出たりはいったりしつづけていた。あれはたしかに夢に違いないけれども、あんなに鮮かな、事実らしい夢というものがあるだろうか。私は最初、突然自分が肉体的な鋭い痛苦と悦楽との頂天に達していることに心づき、夫にしては珍しく力強い充実感を感じさせると不思議に思っていたのだったが、間もなく私の上にいるのは夫ではなくて木村さんであることが分った。それでは私を介抱するために木村さんはここに泊っていたのだろうか。夫はどこへ行ったのだろうか。私はこんな道ならぬことをしてよいのだろうか。………しかし、私にそんなことを考える餘裕《あまりゆう》を許さないほどその快感は素晴らしいものだった。夫は今までにただの一度もこれほどの快感を与えてくれたことはなかった。夫婦生活を始めてから二十何年間、夫は何とつまらない、およそこれとは似ても似つかない、生ぬるい、煮えきらない、後味の悪いものを私に味あわせていたことだろう。今にして思えばあんなものは真の性交ではなかったのだ。これがほんとのものだったのだ。木村さんが私にこれを教えてくれたのだ。………私はそう思う一方、それがほんとうは一部分夢であることも分っていた。私を抱擁している男は木村さんのように見えるけれども、それは夢の中でそう感じているので、実はこの男は夫なのだということ、―――夫に抱かれながら、それを木村さんと感じているのだということ、―――それも私には分っていた。多分夫は、一昨日私を風呂場からここへ運び込んで寝かしつけておいてから、私が意識を失っているのをよいことにして私の体をいろいろと弄《ろう》もてあそんだに違いない。私は彼があまり猛烈に腋の下を吸いつづけるので、ハッとして或る一瞬間意識を回復した時があった。―――彼がその動作に熱中し過ぎて掛けていた眼鏡を落したのが、私の脇腹《わきばら》の上に落ちてヒヤリとしたので、とたんに私は眼を覚ましたのだった。―――私は体じゅうの衣類を全部キレイに剥《は》ぎ取られ、一絲も纏《まと》わぬ姿にされて仰向けに臥《が》ねかされ、フローアスタンドと、枕元の螢光燈《けいひかりひ》のスタンドとが青白い圏《けん》を描いている中に曝されていた。―――そうだ、螢光燈の光があまり明るいので眼が覚めたのかも知れない。―――それでも私はただボンヤリしていただけであったが、夫は私の腹の上に落ちた眼鏡を拾って掛け、腋の下を止めて下腹部のところに唇を当てて吸い始めた。私は反射的に身をすくめ、慌てて体を隠そうとして毛布を探ったのを覚えているが、夫も私が眼を覚ましかけたのに気がついて私に羽根布団《はねぶとんと》毛布を着せ、枕元の螢光燈を消し、フローアスタンドのシェードの上に覆いを被せた。―――寝室に螢光燈などが置いてあるわけはないのだが、夫は書斎のデスクにあるのを持って来たのだ。夫は螢光燈の光の下で、私の体のデテイルを仔細に点することに限りない愉悦を味わったのであろうと思うと、―――私は私自身でさえそんなに細かく見たことのない部分々々を夫に見られたのかと思うと、顔が赧《あか》くなるのを覚える。夫はよほど長時間私を裸体にしておいたのに違いなく、その証拠には、私に風邪を引かせまいために、―――そうしてまた眼を覚まさせまいために、―――ストーブを真赤まっかに燃やして部屋を異常に煖《あたた》めてあった。私は夫に弄ばれたことを、今になって考えると腹立たしくも恥かしく感じるけれども、その時はそんなことよりも頭がガンガン疼うずくのに堪えられなかった。夫が、―――カドロノックスかルミナールかイソミタールか、何か睡眠剤だったのだろう、―――水と一緒にタブレットを噛《か》み砕いたものを口うつしに飲ましたが、頭の痛みを忘れたいので私は素直にそれを飲んだ。と、間もなく私はまた意識を失いかけ、半醒半睡の状態に入ったのだった。私が、夫ではなくて木村さんを抱いて寝ているような幻覚を見たのはそれからであった。幻覚? というと、何かぼうっと今にも消えてなくなりそうに空くうに浮かんでいるもののようだけれども、私が見たのはそんな生やさしいものではない。私は「抱いて寝ているような幻覚」と云ったが、「ような」ではなく、ほんとうに「抱いて寝てい」た実感が今もなお腕や腿ももの肌はだにハッキリ残っているのである。それは夫の肌に触れたのとは全く違う感覚である。私はシカとこの手をもって木村さんの若々しい腕の肉を掴つかみ、その弾力のある胸板に壓おしつけられた。何よりも木村さんの皮膚は非常に色白で、日本人の皮膚ではないような気がした。それに、………あゝ、恥かしいことだが、………よもやよもや夫はこの日記の存在を知るはずはないし、まして内容を読むわけはないと思うので書くのだけれども、………あゝ、夫がこの程度であってくれたら、………夫はどうしてこういう工合に行かないのだろう。………実に奇妙なことなのだが、私はそう思いながらそれが夢であることも、………夢といっても、一部分が現実で、一部分が夢であることを、………というのは、ほんとうは夫に犯されているのであって、夫が木村さんのように見えているのであるらしいことも、意識のどこかで感じていた。ただそれにしてはおかしいのは、あの内容の充実感だけが、………夫のものとは思われない壓覚《あつさとる》あっかくだけが、依然として感じられているのであった。………